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豪華な蚊遣り

この作品、模様が美しいですね。
蓋付きの豪華な蚊遣りです。
中に蚊取り線香を入れて火をつけると蓋に施した穴から煙がでる仕組みです。用途と意匠が一体になった良い作品です。花弁の周囲を掘って模様を立体的に浮かび上がらせているのに加えて、模様と周囲の釉薬も変えてメリハリを付けています。
使用した釉薬は、黄瀬戸釉と織部釉です。
「これは蚊遣りじゃもったいない」という声も聞こえてきそうです。

元気なお花

青いお花がお皿いっぱいに咲いています。
白い地との対比がきれいな作品です。
左の大きい角皿が13、4cmだったと思います。
赤土で成形したあと、刷毛で白化粧土を塗っています。そのあと針状の道具で白化粧土をひっかくように花の模様を描きます。
素焼き後今度は呉須(青い下絵の具)で花の輪郭をなぞり、透明釉を掛けて本焼きします。
こうして手順を書いてみると、
意外に手が込んでいることが分かります。
しかしその表現は、天真爛漫で力強いと同時に肩の力が良い具合に抜けた自由な雰囲気です。
食卓をさらに明るくする器です。

ぐるぐるのお皿

お皿と書きましたが、少し深さもあるので中ぶりの浅鉢と言ったほうが良いかもしれません。
荒めの赤土を使って、ひもづくりで成形しています。きれいに作ろうなどどいう意識はなく、土と踊っているような印象を受けます。
ほどよく波打った器に素焼き後、鉄絵の具を太めの筆で「ぐるぐるの模様」を施しました。
土の踊りが一層盛り上がっているような雰囲気ありますね。鉄絵の具の濃淡がまたいいアクセントになって見ていて飽きません。ここにも食卓を華やかにする器があります。

麦でかんぱ〜い!

黒地に揺れているのは麦の穂ですね。そうですそうです!ビールです!ゴクゴクゴク…のどが鳴る音が聞こえてきませんか?
黒いマグに白い泡が光っているのが目に見えるようです。今すぐビールが飲みたい!そう思わせるナイスな器ですよこれは。白土を板状にし、型に巻いて成形してあります。素焼き後、撥水剤という水分を弾く溶剤で麦の模様を描き、その上から黒マット釉を施します。すると麦の所だけ釉薬がかからず白抜きになり模様がくっきり浮かび上がるという訳です。
シンプルな技法をうまく使いこなしている器です。

花咲く花瓶

すでに器に花が咲いています。
しかし、さりげない風情で葉形でつくられた口が開いています。今度はここに本物の草花が生けられるのです。作られた植物と実際の植物。
活けてみると不思議な対比が生まれるのではないかと思います。こ花器には器と植物の面白い融合があり、興味をそそられます。
考えてみれば、植物の世界には「器」がたくさんあります。葉っぱ自体もお皿ですし、ウツボカズラなんて壷そのものだし、朝顔や百合の花などもすでに器です。いろんなことに気付かせてくれそうなこの花器は、白土で成形し素焼き後、乳白釉をたっぷりかけて焼いてあります。